Daytona2023
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中川慈之型にはまらない自然体の挑戦が実を結ぶ。ガレージグループリーダー1995年入社の中川、生まれ育った北海道では中学時代から空き地内でバイクを走らせ遊んでいた。前職の二輪メーカーでは開発者として車両の性能チェックを担当。入社前にもメインジェットを買いにデイトナを訪れたことはあったが、偶然見つけた新聞の求人広告がきっかけで入社した。入社して最初に任されたのはGB250用マフラー。メーカー時代は設計のみで試作は外注だったため、自分で金属加工してモノを作るのは初めて。企画者に見せると音が悪いとダメ出しされて、何度か改良を重ねて商品化した。ライコランドでは店頭に立ったことも。「自分は『モノを売らない営業』でした。いきなり『キャブレターを替えたい』と言う若いライダーには『最初はマフラーでしょ』とカスタムの順番を説明して帰してしまう。すると『もっと教えて欲しい』とまたやってくる。そんな常連さんが後から結構買ってくれて。ご夫婦で来店して、カスタムしたい旦那さんには『ノーマルでいいんじゃない』と言うと、奥さんが喜んでくれる(笑)。でも話していると最後は奥さんが折れて購入してくれたり」。押すのではなく『引き』の営業スタイルが功を奏した。汎用パーツのユニバーサル(現リプレイス)Gr.では、さまざまな商品に携わった。「あの頃は色々手掛けました。オイル、ケミカル、オイルフィルター、ライドコム、盗難防止アラームと挙げたらキリがないくらい。初めての挑戦は失敗も多くて。アラームが誤作動して、外すとエンジンが掛からなくなり、急遽キャンセルパーツを送って対応。バイクカバーは繊維モノの経験がなく、バイクが汚れてクレームがきたり。購入されたユーザーには随分ご迷惑をお掛けしました」と、当時を振り返る。数々の経験を経て、動じないスタイルを身につけた。2014年から担当するガレージでは、全国で2500棟を越えるまでに育て上げた。「最初は自分一人で、手探りの状態でした。昔は『小屋』と呼ばれたりしましたが、最近は『ガレージ』と皆さん言ってくれて、大分浸透したんじゃないでしょうか。ガレージ=バイクいじりは勿論ですが、保管場所としてライトな使い方も多いですね。楽しみ方は自由なので、今後はレンタルガレージといったもっと気軽な需要も増えていくと思います」。既成の型にはまらない自然体での挑戦が着実に実を結んでいる。バイクガレージはライダーにとって憧れの存在。デイトナでは用品店の店頭やイベントなどライダーの身近な場所で、実際にガレージを体験できる機会を増やしている。ガレージライフから始まる新たな楽しみ方を、これからも全国のライダーに届けていく。デイトナモーターサイクルガレージ BASIC ➡ P.896~900巻頭 P.15モノを売らない営業スタイル。挑戦から得た動じないスタイル。ガレージライフを全国に。DAYTONAGARAGEYasuyukiNakagawa

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