Daytona2023
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リプレイスグループリーダー川崎がデイトナに入社したのは2007年。山間部で生まれ育ち、高校に通うためスクーターに乗り始めた。初めてのバイクは行動半径を一気に広げ、どこまでも行ける翼を手にした気分だった。バイクを通じていろんな経験ができると思い、就職先として選んだのがデイトナだった。配属されたのは営業職。各地の用品店での受発注や新商品紹介など、直接お客様と接する仕事は性に合った。「営業職を10年ぐらい担当しました。社長さんとお話する機会も多く、訪問するときは必ずスーツを着て、髪を染めて(笑)。一度で憶えてもらうため、(ジャンパー姿の)他社の営業と被らないようにキャラを作っていました。気に入ってくれたお客様からは随分可愛がってもらい、いろんなお話ができて今でも感謝しています」。相手の懐に入っていき話を進めていく術を、この頃から身に付けていた。リプレイスグループへ移り、サブリーダーとしてマネジメント業務を学ぶと、2年後には最年少でリーダーを任された。「自分は開発の立場よりも、ライダーに近い立場でずっと商品を見てきました。スタッフには無茶振りと言われるようなことも『ライダーはこんなモノが欲しい』と常にライダー目線で押し通してしまいます。作り手の事情ではなく、100%ライダーのことしか考えていません。便利さを求める一般のライダー以上に、自分自身が究極のめんどくさがり屋なんです(笑)」。こうした開発姿勢が、ライダーの『こんなパーツが欲しかった』という形に繋がっている。SNSや電話の問い合わせからヒントをもらうこともあるという。「電話での問い合わせでは『この人は何を解決したいのだろう』と常に考えて応対しています。相手が抱えている問題点が分かると、すぐに答えが見つかって感謝されます。自分たちが想定していなかった使い方には『こんな風に(ユーザーは)考えるのか』と思わされたり、新たな開発のヒントが多数あります」。現在も愛車のハンターカブで通勤し、昨年はSSTRにも参加した。これからも川崎が作り出すパーツが、ライダーの『こんなパーツが欲しかった』という要求を満たしてくれるに違いない。巻頭 P.14バイクに乗る上で欠かせないメンテナンス。サイドスタンドと併用することで簡単にリアホイールを浮かすことができるスタンドで、チェーンへの注油やホイール清掃、空気圧チェックなどの日常点検が楽になる。ライダー目線での商品を、これからも開発し続ける。イージーリフトアップスタンド ラウンドタイプ32700 ➡ P.830デイトナの対応力川崎竜嗣すべては相手の懐で話すことから。作り手の事情より、ライダーの欲しいを優先。常にユーザーがヒントをくれる。RyujiKawasakiEASY LIFT UP STAND100%ユーザー目線での商品開発。

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