Daytona2023
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2018年よりカスタムグループでリーダーを務める吉川。バイクに興味を持ったのは中学生の頃。二輪雑誌を読み漁ってバイクへの夢を膨らませ、19歳で免許を取得。時代はレーサーレプリカの全盛期。レースメカニック志望であった吉川は京都の専門学校に通いながら、比叡山の峠道を夢中で走り回った。いざ就職となったとき「自分でモノを作る仕事がしたい」と、当時四輪カスタムパーツ開発を立ち上げたデイトナの門を叩いた。最初に配属されたのは希望した四輪パーツではなく、アメリカン・シングル向けパーツの試作・開発。営業から「こんなものが欲しい」という要望を受けて試作パーツとして形にする仕事だった。当時を振り返って吉川はこう語る。「上司は『これやって』とだけ言って後は任すタイプで、(技術や方法を)手取り足取り教えてはくれなかった。周りを観察し、自分で(どうすればよいかを)考えてやってみる。そのうちに段々と仕事を覚えていった感じでした。今思うと、その時の経験があって『自分で考え、自分で行動する力』が身についたんだと思います」。その後はビッグバイク・ユニバーサル(現:リプレイス)Gr.での開発を経て、海外事業部ではハーレーダビッドソン用パーツやミニモトエンジンの立ち上げに従事した。「普段からいろんな物を見るように心がけています。ショーを見学するときも『ここはどうやって作っているか』という視点で、つい見てしまいますね。自分の中でいつも疑問を持って、仮説を立ててみると視えてくるものがあると思います」。2021年に発売されたホンダGB350。吉川は「カフェレーサースタイルの格好のベースモデルが出てきた」と捉えた。まずは既存パーツを流用してセパハン化を自分で試作。さらにデイトナとして久しぶりのコンプリートカスタムへと発展させた。「ショーモデルで終わらない具現化できるカスタム」をコンセプトに、全てのパーツを市販化前提で開発した。グループスタッフが各々の得意パーツを担当し、全体のまとめ役はグループでも若手の山田が担った。「バイク「カフェレーサースタイル」という王道カスタムに真正面から取り組んだ。吉川が考えるバイクのカッコ良さを、グループ全員で共有し、見るだけではない「乗って楽しめる」カスタムモデルとして具現化。多くのライダーがカスタムの楽しさを味わえる指標となっている。巻頭 P.12デイトナの開拓心火オリはジ絶ナル対パーに消ツ開さ発ないの。自分で考え、自分で行動する。カスタムは“センス”が大事。HONDA GB350 Produced by DAYTONA

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