Daytona2023
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落合篤諦めない力で、大きな夢を実現。アウトドアグループリーダー 落合がバイクと出会ったのは、兄の影響で読み始めた『バリバリ伝説』がきっかけ。レースに関わりたいと思い、当時レース参戦していたデイトナに入社。1992年、ライコランドが開店した年で営業職のみの募集だったが、まずは入社できたことに喜びを感じた。入社から8年後。組織変更でシングルグループ(以下 Gr.)へ異動となり、満を持してSR400に乗り始めた。そこでは営業的な立場からモノの企画開発に携わった。「出来上がった試作品を、自信満々でシングル界のレジェンドに見せて相談すると『それ売れる?落合君がSRを好きすぎるんじゃないの?』って言われた事もあり、お客様と自分の想いとのギャップを知る経験もしました。さらに工作機械の扱い方やCADを教えてもらい、自分の手でモノ作りを体験して『こうすれば良いモノが作れる』という手法を学べたことが大きかったです。良い環境で仕事ができて、とても楽しかったです」。その後マーケティング、用品、ツーリングの各グループに所属し、ライディングギアGr.でリーダーを任された。GIVIやNOLANといったブランドでは、海外の担当者とのやりとりを経験し、だんだん視野が広がっていった。「一番大変だったのは、縫製品の協力工場を海外で開拓したころ。政情が不安定なアジアは、危険も多くビクビクしながら渡航していました。さらに税関今では定番商品のグローブ。立ち上げ時の苦労が実を結んだ。で商品が止められたり、不良品の在庫を山のように抱えたりと、どん底を味わいました。そんな経験から『こうすれば上手くいく』という感覚が身についてくると、少しずつ改善してきました。今では貴重な財産だと思っています」。2022年にアウトドアGr.のリーダーに就任した。近年大きなブームとなっているアウトドアの領域で更なる展開を考えている。「デイトナはライダーのためのアウトドア用品を他社に先駆けて開発してきましたが、今後は本格的にアウトドア業界で勝負できる商品を作っていきたいと考えています。これまでバイク用品開発で培ってきた技術や経験を活かせば、必ずアウトドアの世界で通用する商品を作れると思います」。既存の枠に捉われない大きな夢への挑戦が今後も続いていく。完全オリジナルのツーリングドームテント(仮称)は新型を開発中。室内の居住性を確保しつつ小型・軽量で積載性も重視して、ソロツーリングでの最適なサイズを検討した。カラーも新たに決めたブランドイメージカラーのフォレストカーキを採用し、今後投入するアイテムとの統一性を持たせている。これまでのテントに加えて選択肢を増やすことで、ユーザーに新たなスタイルを提案し続ける。ツーリングドームテント(仮称)開発中巻頭 P.11自分の手でモノを生み出す。どん底を経験して、手に入れた財産。大きな舞台で、対等に勝負する。TOURINGDOME TENTAtsushiOchiai

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