Daytona2022
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■スタビライザーでカスタムの楽しさを知る。創業50周年を迎えるデイトナ、おめでとうございます。今回、改めてデイトナとの接点を話すと、高校2年(1984年)の頃、RZ250RRを新車で購入して、初めのうちはノーマルで満足していました。そのうち信号待ちで同じバイクと並んだ時にカスタム意欲が湧きました。とは言え、当時流行していたバックステップやレーシングチャンバーを買うのは予算的に厳しい。二輪専門誌の広告ページを見て、アルバイト収入で購入できそうだったのが、デイトナのフロントフォークスタビライザーでした。取り付けはボルトオンで簡単、フロントサスペンションの剛性が上がったか否かは体感できなかったけれど、量産型から俺専用機にアップグレードした満足感は十二分でした。■バイクのある風景が当たり前の世界僕が子供の頃、商店の前にスーパーカブが停まっているのはごく自然な風景でした。街で見かけるバイクは、颯爽としていて憧れを抱いていました。仮面ライダーを筆頭に、ヒーローはバイクをカッコよく乗り回していました。群れてやかましい暴走行為は嫌いだけれど、一人ひとりと話してみれば根っこの部分は同じバイク好き。80年代バイクブームもリアルタイム&ど真ん中だったし、大げさに言えば日本のバイク文化と共に歩んできたように思います。バイクは扱い方次第で、楽しめる乗り物にも危険な存在にもなりうる。マナーの悪さが新たな規制を作ってきた50年だったと思います。規制が増えれば息苦しくなり、とても楽しい気分では乗れない。これから先は、マナー良くバイクと付き合うライダーが増えて、社会から認められる存在になれば良いなと思います。デイトナは、ヘンリーさんの渡米経験に由来する発見期、ニーズに合わせて新たなパーツやライディングギアを用意してきた創造期を経て、脱炭素を目指す社会の中でユーザーのために何ができるかを考える発想期に来ていると思います。これから先、デイトナに期待することは、日本のバイク文化が世界をけん引するよう、ものづくりでその一役を担って欲しい。今よりもバイクが社会に受け入れられ、バイクのある風景が普遍的になるような世界観の手助けをして欲しいと思います。■箱付きでもスポーティ90年代に入ってから、大型スポーツツアラーでロングツーリングを楽しむトレンドがありました。当時、ハードケースは走行性能をスポイルする、すり抜けがしづらい、車体デザインを崩してカッコ悪いなどの理由から、ソフトバッグを使っている人が多かったように思います。僕は95年にGPZ1100のパニアケース仕様、99年は専用サイドケース装備のCONCOURS(欧州では1000GTR )に乗っており、いわゆる「箱付き」は、皆が心配するほど走行性能をスポイルしないと知っていました。その後、箱付きの正しい情報を伝えるチャンスが到来!2005年頃にGIVIのトップ&サイドケースを装着したXJR1300で、タンデム&ロングツーリングする二輪専門誌の連載企画を担当しました。北は宮城県、南は熊本県、鳥取県や新潟県にも行きましたね。GIVIケース装着車で思い出深いのは、デイトナのCBR1100XXスーパーブラックバード・フルパニアケース仕様。プレス向け試乗会で「箱付きでもスポーティな走りができることを証明したい!」と当時のGIVI担モータージャーナリスト巻頭特集 P.03デイトナCBR1100XXスーパーブラックバード・フルパニアケース仕様でデイトナテストコースを膝擦り走行。大きなインパクトを与えた。「静岡県二輪車安全運転推進クラブ連合会」伊豆地区会長として、バイクが安全に楽しめるよう事故防止と安全運転の普及活動に取り組む。当者にOKをもらい、フルバンク膝擦り走行を披露しました。デイトナとは2003年頃からスクーターやミニバイク系の製品開発・性能検証でお付き合いがあり、ちょっとだけ恩返しの意味合いもありました。僕らが思っていた以上にインパクトのある走行シーンだったみたいで、今でも語り草になっているようです。二輪誌のライターから、「静岡県二輪車安全運転推進クラブ伊豆地区会長」などのお堅い仕事、ラジオDJ、果ては茶ミーティングの司会までマルチにこなす、バイク業界の頼れるアニキ。#02KazuNakanishiカズ中西デイトナ50周年にむけて

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